会社(ビル)を3人で建てているイラスト

こんにちは。新年度になりましたね。先週から今週にかけて入学式に向かう学生とご両親やリクルートスーツを着た新入社員の方もたくさん見受けられました。

私はというと先週数年ぶりに風邪をひき、数日間体調優先で業務を控えめに行っていました。もう今週はすっかり元気になりましたが仕事も健康あってのことですので体調管理の大切さが身に沁みました。

新年度ですのでこれから独立開業される方や個人事業から法人成りする方向けに株式会社の設立(法人設立)にかかる費用について書きたいと思います。

注)法人の種類には「株式会社」のほかに「合同会社」という形態もありますが、ここでは「株式会社」の設立について書きます。

目次

自分で手続きは「25万円」、専門家に依頼は「30万円」

まず結論から。会社を設立するための最低限の費用は、自分で手続きを行うと約25万円、専門家に依頼すると約30万円が必要です。

費用の内訳は次のとおりです。

株式会社の設立費用内訳

内容 自分で手続 専門家に依頼
1.会社の印鑑作成料(※) 6,000円 6,000円
2.代表者等の印鑑証明書 200円 200円
3.定款に貼る収入印紙代 40,000円 0円
4.定款の認証費用 50,000円 50,000円
5.定款の謄本代(※) 2,000円 2,000円
6.登記申請の登録免許税 150,000円 150,000円
7.設立した会社の謄本取得手数料 500円 500円
8.司法書士の登記手続費用(※) 0円 86,400円
合計 248,700円 295,100円

(※)購入先や内容により金額が変わるため、目安の金額です。

上記以外にかかるものとして代表者(発起人)の個人口座へ資本金の入金が必要です。と言っても現在は資本金は1円からOKですし、口座へ入金した資本金は事業経営のために使えるお金です。お金が無くなってしまう費用とは別ものと考えていいでしょう。

それぞれ具体的にみていきましょう。

1.会社の印鑑(代表印)作成料

まずは会社の実印を作りましょう。「会社の実印」とか「代表印」などと呼ばれます。個人では不動産の売買契約やローンの借入契約などの際に実印を押しますよね。会社も個人と同じように重要な契約書には実印を押しますので、会社用の実印が必要になります。近くのハンコ屋さんでも今はインターネットでも「会社 実印」などと検索すると多くの作成業者が出てきます。材質により作成料は大きく変わりますので「水牛」や「チタン」などを選ぶと数万円のものもあります。

「社名」を入れますので「社名」が決まってからですね。

2.代表者(+取締役)の印鑑証明書

設立登記の必要書類として代表者(設立前は“発起人”と呼びます)の個人の実印の印鑑証明書が必要です。代表者のほかに
設立時から取締役になる方がいる場合には、取締役個人の印鑑証明も必要です。

取得できる場所はお住まいの市役所ですが、最近ではマイナンバーカードがあればコンビニの機械でも取得できます。

<立川市の場合>
立川市役所:コンビニで証明書が取得できます

お住まいの市区町村や取得が窓口なのかコンビニなのかにより手数料が少し変わりますが一通200円~300円です。

3.定款に貼る収入印紙代

収入印紙代は自分で手続きをすると40,000円ですが専門家(司法書士)に依頼する場合は不要(0円)になります。これは、定款の認証手続きを“電子定款”により行うと印紙が不要になるためです。

自分で行う場合でも電子定款を選択できれば良いのですが、文書作成やPDF編集ソフト、カードリーダー、電子証明書などの専用機材が必要で手間もかかるため、自分で手続きする場合には印紙代が必要と考えていたほうがいいですね。

下記4.の定款認証のときに公証役場で定款を確認してもらったあとに貼り付けます。印紙は、公証役場で売っていない場合も多いので事前に郵便局で購入しましょう。

4.定款の認証費用

5.定款の謄本代

定款の認証費用と謄本代は、公証役場で当日現金で支払います。謄本代は作成した定款の枚数によって変わり、1枚あたり250円ですので1,000円~2,000円になります。

6.登記申請の登録免許税

登記申請のための税金ですので法務局で登記申請書を提出するときに収入印紙を購入し支払います。法務局には印紙販売窓口がありますので15万円分の収入印紙を購入しましょう。なお、登録免許税は厳密には「資本金×0.7%」の金額ですが、最低金額が15万円となっていますので会社設立される多くの方は15万円で大丈夫です。(設立当初から資本金を2,200万円以上にする必要がある場合には注意が必要ですね。)

一部の市区町村の商工会議所等が行う創業支援講座を受講して要件を満たすと、登録免許税が半額の7.5万円になる支援を受けられます。

<立川市の場合>
立川商工会議所:創業応援塾

5,000円という受講料で6日間にわたり創業・経営に関するセミナーを受講でき、かつ創業したときの登録免許税を7.5万円も節税できるのでとてもいい支援制度だと思います。平成30年も秋に開催されると思いますので創業をお考えの方はチェックしてくださいね。

7.設立した会社の謄本取得手数料

無事、登記が完了すると法務局で最初の謄本を取得します。取得方法により金額は変わりますが
480円~600円が発行手数料です。会社設立後は、税務署や都税事務所、市区町村、年金事務所、銀行、インフラ契約などの手続きのために原本の提出や提示が必要ですので、2~3枚取得することをお勧めします。

8.司法書士へ支払う手続費用

会社設立に関する書類作成や公証役場・法務局での手続きを司法書士に依頼した場合の司法書士報酬の相場は「8万円+消費税」です。
注)依頼する司法書士事務所によりサービス内容や報酬が変わります。

会社設立登記は、時間がたっぷり取れる方や登記手続きも経験してみたい方はやってできないことではないので挑戦してみましょう。ただ、会社設立時にはどうしても他にもやることが山積みの場合も多いかと思います。専門家に依頼することで書類作成や提出の手間を省け、設立登記に関するミスを防げますので、状況により判断しましょう。

なお、会社設立日は「登記申請日」です。会社のスタートの大切な日ですので、申請資料の不足や記載ミスにより登記申請日(会社設立日)が後日になってしまわないように注意が必要です。この点については後から取り返しのつかないことですので、私もサポートするときには必ずお客様にお伝えしていますが、ご自身だけで手続きを行う場合には注意してください。(登記申請は法務局の窓口が開いている日になるため、土日祝や年末年始は登記申請ができないことから、会社設立日にもできません)

まとめ

会社設立手続には最低でも25万円~30万円の費用が必要ですのであらかじめ設立準備資金に入れておきましょう。自分でやる場合と司法書士に依頼する場合では4~5万円くらいトータル費用が変わりますので、時間があり節約をしたい方は今はインターネットでも調べられますので自分でやってみてもいいかもしれません。

また、会社設立と同時に税務関係の手続き、社会保険関係の手続き、事業内容により許認可関係の手続きが必要になります。当事務所でも
税務関係の手続きはもちろんですが、設立登記・許認可、社会保険に関するアドバイスや提携している専門家(司法書士・社会保険労務士)のご紹介もできますのでお困りの方はお気軽にご相談くださいね。

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