先週末、大手町の合同庁舎で電話での税務相談員を担当しましたが、医療費控除は多くの方にとって身近な控除ですので多くの質問を頂きました。

目次

単身赴任中に妻子の医療費は控除の対象になる?

これ、医療費控除の対象として大丈夫です。

別居なのに控除を受けられる理由

医療費控除では、医療費を支払った人と医療を受けた人が
① 生計を一にしていること
② 親族であること
の2つの要件をクリアしていればいいからです。

「生計を一にしている」って?

この言葉は、普段使うことはありませんよね。もちろん私も税理士試験を通して初めて知った言葉です。「生計を一にしている」とは、簡単に言うと「生活費のお財布が一緒」ということです。

ご自身で調べて申告される方の中には「別居だと生活を共にしていないし、生計が一緒としてはいけないのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。しかし「生活を共にすること」と「生計を一にすること」は意味が異なるので心配はいりません。

なぜ、単身赴任で別居しているのに生計を一にしていると考えていいのかというと、単身赴任では通常、単身赴任中のご主人(または奥様)のお給料を仕送りしてご家族が生活しているので「生計を一にしている」と考えて大丈夫なのです。

単身赴任の他にも「通学のため一人暮らし中の子供」が仕送り(子供名義の口座に生活費を振り込むなど)により生活していれば「生計を一にしている」と考えることができ、子供の医療費も親の医療費と合算して控除の対象とすることができます。

なお、「生計を一にしている」の判定時期は「医療費を支払った時」ですので、1年間ずっと生計が一である必要はなく確定申告書を提出するときに生計を一にしているかどうかも関係ありません。

また、医療費控除は医療費を支払った人と医療を受けた人が「扶養関係があるかないか」「所得税や社会保険の扶養としているかどうか」は一切関係ありません。生計が同じ親族の病院代・薬代であればまとめて控除を受けることができます。

まとめ

単身赴任中でも、「生計を一にしている」「親族」の医療費であれば医療費を支払った人の確定申告に合算して控除を受けられます。

これからの時期は税務署や税理士会、市役所、青色申告会などで無料の確定申告相談会も開かれますので活用して控除や税金の還付を受けましょう。

医療費控除についてはこちらの記事も参考にしてください。

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